駐アラブ首長国連邦特命全権大使

アッサラーム　アライクム！日本の駐アラブ首長国連邦大使として着任しました磯俣秋男と申します。よろしくお願いいたします。
 
私はこれまで日本国内のほか、アジア、欧州、北米の日本大使館や総領事館で勤務してまいりましたが、残念ながら中東地域とはあまり縁がありませんでした。アラブ首長国連邦（UAE）に来るのも今回が初めてですが、それだけに、新鮮な気持ちをもって皆様方から色々なことを虚心坦懐に学ばせて頂き、微力ながら日本とUAEとの友好協力関係の増進に全力を尽くしたいと考えております。また、元来旅行が好きですので、UAE国内及び近隣地域をあちこち巡って見聞を広めたく、砂漠ツアーにも行ってみたいと思っています。
 
日本とUAEとの協力は、長年にわたる油田の開発・石油の輸出入に加え、今や様々な分野に発展しています。インフラ、再生可能エネルギー、宇宙開発、防衛産業、農業・食品、医療・ヘルスケア、小売り、観光、コンテンツ・クリエイティブ産業、スポーツ等々、既に具体的な協力が進められている分野もあれば、これから一層の発展が期待される分野も多くあります。これまでの協力の蓄積と、政治的・社会的安定性、経済面での対外開放度、運輸・通商のハブという地理的特性等のUAEが有する戦略的優位性とを合わせて考えれば、両国関係の発展可能性は無限大といっても過言ではないと思います。
 
また、教育・人材育成の面での交流も、将来に向かって息の長い関係を構築し、心と心の触れ合う真の友好関係を強化していく上で、非常に重要です。私は今回の着任に先立って、アブダビ日本人学校を出て現在日本の高校で学んでいるUAEの高校生を訪ね、会ってきました。食事を含め生活習慣が大きく異なる日本で、機械工学、国際関係等それぞれに将来の夢を抱きながら、元気に勉強している彼らの姿を見て、私自身も大きく元気づけられました。国の将来を支えるのは、いつの時代も若者です。多くの人たちの理解と協力があって初めて可能となるものですが、両国の将来のためにこうした地道な交流も継続していければと思います。
 
現在開催されているドバイ万博では、日本館が大変な人気を博しています。UAEの日本に対する関心もビジネス、伝統文化にとどまらず、クリエイティブ・アーツ、デザイン、コンテンツ、また和食へも広がっています。来年日本とUAEが国交50周年を迎えようとする中、私はこの50周年という記念すべき年を、これまで半世紀にわたる強固な両国関係を土台に、「次の50年」へ向けて新たな協力のフロントを更に開拓していく様々なきっかけを作る年にしたいと思います。皆様方の知恵と力を結集して、果敢にチャレンジする姿勢で共に可能性を開拓していきたく、よろしくお願い申し上げます。