磯俣秋男駐アラブ首長国連邦特命全権大使からのメッセージ
令和4年4月11日
この国の「寛容」と「共生」に学ぶ
(2022年4月)
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万博でのBIE旗引渡し式 (c) Expo 2020 Dubai | 天皇誕生日レセプション (c) UAE SWY |
当地に着任して、4ヶ月が経ちました。新型コロナウイルス・オミクロン株の世界的流行を受けて、UAEでも今年1月から2月にかけて感染者の増大が見られ、仕事や生活も一時期ペースダウンせざるを得ませんでしたが、その後徐々に改善が見られ、幸い3月下旬には約2年ぶりに、アブダビで多くの方々を招いて天皇誕生日レセプションを開催することもできました。
3月末には、ドバイ万博が6ヶ月の開催期間を終えて、無事閉幕しました。この機会に日本からは、若宮万博担当大臣がドバイを訪問し、ナヒヤーン・ビン・ムバラク寛容・共生大臣兼2020年ドバイ国際博覧会委員長ほかUAEの関係閣僚や、博覧会国際事務局(BIE)のケルケンツェス事務局長らと会談しました。ドバイ万博の日本館は、デジタル技術を駆使したインタラクティブなアプローチや、約80名の若いアテンダントのおもてなし等で大変な人気を博し、月末のBIEデーにおいては、大規模パビリオン・カテゴリーの展示デザイン部門で栄えある金賞を受賞しました。次回の2025年大阪・関西万博へ向けて大いに機運を高めることができました。
ドバイ万博では、昨年12月にジャパン・デーも開催されています。ちょうどオミクロン株の流行が始まった頃で、日本からの来訪が予定されていた閣僚らの訪問は延期となりましたが、UAE在住の邦人や外国人愛好者による和太鼓や居合道のパフォーマンスが大いに場を盛り上げてくれました。その場にいて私は、日本人以外の人たちも日本文化の伝播を担う強力な一翼となっているという状況を目の当たりにし、大相撲が既にそうであるように、日本の伝統文化・芸能等のプロモーターも日本人に限定する必要はないことを改めて実感しました。
また近年UAEは、経済発展に向けての各種施策や地域・グローバル外交を積極的に展開しています。紙幅の関係で一、二の例のみ挙げれば、例えば、ムスリム国の習慣を踏まえての金・土の週休2日制が、グローバル社会におけるビジネス運営とできる限りリズムを合わせるべく、今年1月から金(半日)・土・日の週休2.5日制になりました。また外交面では、一昨年にはイスラエルとの国交正常化がありましたが、昨年来のトルコとの関係改善の動きも注目されています。
こうした施策や活動をハイテンポで進める背景には、透徹したビジョンとプラグマテイズムがあり、更にこれらは、「寛容」と「共生」という理念に裏打ちされていると思います。人口の約9割を外国人が占める社会においてはある程度必然とはいえ、社会の活力を維持しつつ個々人の能力を最大限に発揮させるため、また種々の対立軸の中で制約は受けつつも、可能な場合には最大限の柔軟性を発揮して自国に有利な国際環境を整えていくため、寛容と共生という理念の下で、内外関係において包摂的なアプローチをとっていくことは、日本にとっても学ぶべき点が少なくないと思います。
先月は、林外務大臣もまたUAEを訪れてアブダッラー外相らと会談を行い、二国間関係や地域・国際情勢について幅広い意見交換を行い、今年の日UAE外交関係樹立50周年を祝福しつつ、「次の50年」に向けて協力を拡大・深化させていくことを改めて確認しています。4月は日本では桜の季節で、企業・官公庁や学校は新たな年度の始まりを迎え、気持ちも新たに仕事に学業に取り組んでいく機運を高めることのできる時です。そういうフレッシュな心持ちで、今年の「50周年」、皆さんとともに前進を続けたいと思います。
3月末には、ドバイ万博が6ヶ月の開催期間を終えて、無事閉幕しました。この機会に日本からは、若宮万博担当大臣がドバイを訪問し、ナヒヤーン・ビン・ムバラク寛容・共生大臣兼2020年ドバイ国際博覧会委員長ほかUAEの関係閣僚や、博覧会国際事務局(BIE)のケルケンツェス事務局長らと会談しました。ドバイ万博の日本館は、デジタル技術を駆使したインタラクティブなアプローチや、約80名の若いアテンダントのおもてなし等で大変な人気を博し、月末のBIEデーにおいては、大規模パビリオン・カテゴリーの展示デザイン部門で栄えある金賞を受賞しました。次回の2025年大阪・関西万博へ向けて大いに機運を高めることができました。
ドバイ万博では、昨年12月にジャパン・デーも開催されています。ちょうどオミクロン株の流行が始まった頃で、日本からの来訪が予定されていた閣僚らの訪問は延期となりましたが、UAE在住の邦人や外国人愛好者による和太鼓や居合道のパフォーマンスが大いに場を盛り上げてくれました。その場にいて私は、日本人以外の人たちも日本文化の伝播を担う強力な一翼となっているという状況を目の当たりにし、大相撲が既にそうであるように、日本の伝統文化・芸能等のプロモーターも日本人に限定する必要はないことを改めて実感しました。
また近年UAEは、経済発展に向けての各種施策や地域・グローバル外交を積極的に展開しています。紙幅の関係で一、二の例のみ挙げれば、例えば、ムスリム国の習慣を踏まえての金・土の週休2日制が、グローバル社会におけるビジネス運営とできる限りリズムを合わせるべく、今年1月から金(半日)・土・日の週休2.5日制になりました。また外交面では、一昨年にはイスラエルとの国交正常化がありましたが、昨年来のトルコとの関係改善の動きも注目されています。
こうした施策や活動をハイテンポで進める背景には、透徹したビジョンとプラグマテイズムがあり、更にこれらは、「寛容」と「共生」という理念に裏打ちされていると思います。人口の約9割を外国人が占める社会においてはある程度必然とはいえ、社会の活力を維持しつつ個々人の能力を最大限に発揮させるため、また種々の対立軸の中で制約は受けつつも、可能な場合には最大限の柔軟性を発揮して自国に有利な国際環境を整えていくため、寛容と共生という理念の下で、内外関係において包摂的なアプローチをとっていくことは、日本にとっても学ぶべき点が少なくないと思います。
先月は、林外務大臣もまたUAEを訪れてアブダッラー外相らと会談を行い、二国間関係や地域・国際情勢について幅広い意見交換を行い、今年の日UAE外交関係樹立50周年を祝福しつつ、「次の50年」に向けて協力を拡大・深化させていくことを改めて確認しています。4月は日本では桜の季節で、企業・官公庁や学校は新たな年度の始まりを迎え、気持ちも新たに仕事に学業に取り組んでいく機運を高めることのできる時です。そういうフレッシュな心持ちで、今年の「50周年」、皆さんとともに前進を続けたいと思います。